
3D地中レーダー
AI自動判定システム
開発背景
近年、道路陥没事故が多くなっており、道路面下の空洞調査の需要が高まってきています。この道路面下の空洞調査については、道路深さ2m程までについては、「3D地中レーダー探査」が適していることは広く用いられています。現在の 「3D地中レーダー探査」では、調査車両の後部下にアンテナを装備し、時速40km/h程で調査対象の道路を走行することで道路規制をすることなく長い区間の空洞調査を行う事が可能です。こうして得た長い区間の調査データから空洞を検出するには、個々の技術者の作業に依存する部分が多く、時間や精度、技術者の育成などの課題を抱えていました。これらの課題を解決するべく、AI技術を用いた「3D地中レーダーAI自動判定システム」を開発しました。

3D地中レーダー
AI自動判定システム
「3D地中レーダー探査」では、送信アンテナから電磁波を発射、空洞や埋設管の反射を受信アンテナで検知し、その反射波形の特性により高い精度で検出します。反射波形を画像化したものは、右図のようなものになります。

システムの画面概要説明
①各種パラメータ設定:測定データ、長さ範囲、透明度など各種パラメータの設定。
②横断画像: 3D地中レーダーのデータを横からみた画像。
③水平断面画像: 3D地中レーダーのデータを上から見た画像。
④横断画面像: 3D地中レーダーのデータを前から見た画像。
⑤数値表示:判定結果のデータの数値表示。

システムの概要
「AI 3D地中レーダー地中レーダ探査自動判定システム」は、「断面画像一括出力」からが出力された「3D地中レーダー断面画像」を読み込み、地盤状況の判定を行います。
断面画像一括出力

3D地中レーダー断面画像
システムで予め設定した「3D地中レーダー断面画像」の格納フォルダ【Project】に道路調査プロジェクトのフォルダを作成し、そのフォルダ下に、各道路のデータ(depthinfo.txt、断面画像)を格納しておきます。
道路調査プロジェクト毎に出力

AI 3D地中レーダー探査
自動判定システム
AI判定処理
「3D地中レーダー断面画像」を読み込んで、AIで空洞の判定を行う。

AI判定結果表示
結果画面に表示される断面画像上に地盤状況判定結果(空洞、空洞以外)を表示する。

判定結果CSV
判定結果情報は、編集、一覧出力(CSVファイル)を行うことが可能。

AIの再学習機能について
「3D地中レーダーAI自動判定システム」の利用を進めて蓄積した判定結果のデータを使ってAIを学習させ、判定機能を高める機能を開発しました。
AI再学習機能では、AI地中レーダ探査自動判定システムで判定、確認した後、「AI再学習をAI作成サーバー」に再学習AIを依頼し、その後時間をおいて、最新AIが作成されているかを問い合わせて再学習済AIを受け取る流れです。
3D地中レーダー
AI自動判定システム
(道路調査クライアントPC)

01
AI再学習の依頼
AIに再学習させたい道路情報を選択し、「AI再学習」の依頼を行う。
AI作成サーバー(再学習機能)
02
AI作成
・学習データの作成 → 「AI再学習」の依頼で送付されたデータから学習データを作成。
・最新版AIの作成
→ 作成した学習データから最新版のAIを作成。

03
AIの更新
・最新AIの問い合わせ
→ 起動時、または任意のタイミングで、最新のAIを問い合わせる。
・最新AIの配信
→最新AIが存在していた場合、取得して更新する。
3D地中レーダー
AI自動判定システム
(道路調査クライアントPC)

「AI再学習の依頼」を行う道路情報の判定結果は、必ず確認を行ったものを使用する必要があります。AIの再学習には多くの時間が必要となるため、「AI再学習の依頼」から「AIの更新」ができるまでに多くの時間を要します。複数台で運用する場合、AIの再学習は、他のすべてのクライアントに反映されます。